2016年に発生した「熊本地震」でも大きな話題になりましたが、大きな地震による揺れが発生した時に、最も壊れやすい部分が柱と基礎の連結部分です。
建物が大きく揺れるとその主要な柱に大きな引き抜きの力がかかってしまうのです。
この部分が弱いと、大地震時に柱ごと引き抜かれて建物が大きく損傷し倒壊につながります。この柱の引き抜き強度というものは「阪神淡路大震災」以来、大地震の際には大きく注目される要素です。
SE構法は、「柱脚金物」という特殊な金物で、基礎と柱が直接連結しているので、その引き抜き耐力が大きく向上しています。その力は最大24.4tという数字で、在来木造のホールダウン金物の5倍以上もの力を発揮するのです。
SE構法の構造躯体に使用する木材には、全て「構造用集成材」が使われています。
「構造用集成材」とは、十分に乾燥され強度ごとに分類した「ラミナ」と呼ばれる木材を、科学的に計算しながら張り合わせた「エンジニアリングウッド」のことです。
一般的に自然のままの木材は、乾燥の度合いや強度が「わかりにくい」「ばらばら」というケースがほとんどです。しかし構造用集成材は、含水率が低く、部材ごとの強度が表示されています。SE構法を耐震性に優れた構造躯体にするために、とても重要な要素となっております。
一般の在来木造工法と呼ばれる工法では、柱と梁をつなげる部分に「ほぞ」といわれる穴加工をしているケースがほとんどです。これについてはその部分の強度不足が問題視されています。昔の寺社仏閣のように、20㎝以上の太い柱を使っていれば問題ないのでしょうが、現在の12cm程度の柱に穴をあけると、残る部分があまりにも少なくて、その部分の強度は著しく落ちます。
大地震の際にこの接合部が壊れたケースも多く見られました。
SE構法では、特殊な金物を使うことでその断面の欠損が少ないというメリットがあります。また、乾燥している集成材ということで、木造自体の収縮も少なく、なおかつボルトやドリフトピンで強固に接合しているので、熊本地震でも注目された「連続した揺れ」に対しても非常に強いと言えるのです。
木材や接合する金物が高い強度を持つことは大きな要素ですが、SE構法が地震に強いと言える最大の理由はこの「構造計算」というシステムにあります。
意匠設計士がデザインした設計計画に対して、大きな地震や台風がきても建物が壊れないように、専門の構造設計士が様々な角度から数値的に計算をして、その部材や太さなどを決めていく行為です。意外に知られていないことですが、この「構造計算」は一般の木造住宅では法律で義務化されていません。
つまり、その代りに設計士の勘と経験で建物の安全性を決めていたという事実があります。大規模木造建築から始まった「SE構法」は、木造住宅といえどもその考えを良しとせずに、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と同様に、数値に裏付けられた「構造計算」を行っています。もちろん、「耐震等級」についても最高等級を取得可能です。これも科学的に耐震性の高さを裏付ける大きな要素となります。
例え科学的に「構造計算」をして耐震性の高い設計図を作成したとしても、実際に使うその部材や加工精度が低品質なものであればまったく意味をなしません。
SE構法金物の設定などのでは、構造計算によって指定された部材の種類や大きさ、データがそのまま指定プレカット工場へ直接つながる仕組みを持っています。
それによって、計算された通りの部材が高精度に加工されて、建築現場に直接届く仕組みとなっています。
その仕組みが最長20年の構造躯体の保証のシステムまでつながっています。
耐震構法SE構法の開発・供給元の株式会社エヌ・シー・エヌと連携し、資産価値の高い家の普及を目指す提案力と技術力を併せ持つ工務店・住宅会社が重量木骨プレミアムパートナーです。
全国各地の重量木骨プレミアムパートナーは資産価値の高い家を普及させるために、1社では限界のある研究や技術開発を、ネットワークを通じて定期的な研究会やワークショップにて、最新の知識や技術の取得・共有に努めています。